業務ユースケース

AIエージェントに何を任せる?Heygoodの4時間運用と人の判断

HeygoodではAIエージェントが4時間ごとに一つの施策を選び、実装と検証まで進めます。CRMを起点に次の一手を決める流れと、人が判断する範囲を実例で紹介します。

朝8時。AIエージェントが問い合わせの正本となるCRMを開きます。検索流入だけ増え、適格問い合わせが増えていなければ、記事を足す前に導線や相談メニューを確認。いちばん詰まっている場所を一つ選び、次の4時間で手を入れます。

昼12時にコードを直し、テストと実ブラウザで確認します。夕方16時に公開結果を読み戻し、夜20時に続ける施策と止める施策を選び直す。Heygoodが自社で回している一日の流れです。

8時に詰まりを選び、12時に実装、16時に公開確認、20時に施策を選び直す1日の流れ1日4回の実行サイクル。画像を押すと拡大できます

AIエージェントに任せている仕事は?

調査から記録までをAIエージェントが担当し、公開や契約など影響の大きい判断を人に戻します。

「競合調査」「記事作成」という作業名だけでは渡しません。増やしたい成果、正本となる数値、変更できる範囲を先に決めます。AIエージェントの担当は証拠を集め、変更し、結果を確かめるところまでです。

問い合わせ、資料取得、商談履歴はbiz platform CRMで確認します。GA4のイベント数をそのまま成果に数えず、CRMで適格と判定された問い合わせだけをNorth Starへ加算。画面上の反応と営業成果を分けています。

AIエージェントが観測から記録まで進め、契約、料金、個人情報、法務表現、破壊的変更の前で人へ判断を渡す境界任せる範囲と止める場所。画像を押すと拡大できます

表は横にスクロールできます →
AIエージェントへ任せる仕事人が判断する仕事
現在値と前回差分の確認North Starの変更
最大の詰まりを一つ選ぶ広告費、契約、料金の決定
記事、導線、計測、コードの変更個人情報を含む外部送信
テスト、ビルド、実ブラウザ確認法務表現と実績表現の承認
証拠と次の観測値の記録破壊的変更とDBスキーマ変更

任せる範囲の考え方はAIエージェントにどこまで権限を渡してよいかで詳しく整理しています。

4時間でどこまで進める?

一回の枠で一つの詰まりに絞り、変更を一件終え、確認の証拠と次に見る数字まで残します。

記事、CTA、フォーム、CRMを同時に変えると、数字が動いた理由を追えません。検索表示が少ないなら記事、フォーム開始後に離脱するなら入力画面、保存に失敗するならCRM連携だけ。触る場所を一つに絞ります。

前回差分の観測、最大の詰まりの選択、一件の実行、証拠の検証、次回条件の記録を4時間で回す流れ4時間枠で残す一件の変更。画像を押すと拡大できます

表は横にスクロールできます →
段階4時間枠で残すもの終了時の確認
観測前回からの差分古い数値を使っていないか
選択いちばん大きな詰まりほかの場所を同時に触っていないか
実行公開できる変更一件問い合わせにつながる変更か
検証テスト、画面、計測の証拠決めた成功条件を満たしたか
記録次回観測値と中止条件次の担当が判断をたどれるか

調べて終わりにはしません。記事構成、設定案、検証手順など承認後すぐ動かせる形まで仕上げます。状況報告だけを残す運用では次の4時間も同じ場所から始まるためです。

人に戻す判断は?

公開、個人情報、契約、料金、法務表現、破壊的変更を作業前から人の承認対象にしています。

承認は最後に足す安全装置ではありません。AIエージェントが止まる場所として、仕事を始める前に決めます。通常の記事修正やテストは進めても、未レビュー記事の検索公開、顧客への一斉送信、DBスキーマ変更の前で停止。担当者へ判断を戻します。

AISIの評価観点ガイド第1.20版はAIエージェントの自律的な挙動と外部環境との相互作用について、観測と制御を評価項目に挙げています。Heygoodでも文章の正しさだけで済ませません。何を変え、どこで止まり、誰が承認したかを追います。

次の施策はどう決める?

検索表示からCRMの適格判定までを並べ、最初に数字が落ちた場所から次の一手を選びます。

問い合わせが0件でも、すぐ記事を増やすとは限りません。検索結果に出ていないのか。記事を読んでもCTAを押さないのか。フォームを開いても送らないのか。CRMへの保存で止まっているのか。落ちた場所ごとに手を変えます。

検索表示から記事閲覧、CTA、フォーム、CRM保存、適格判定までを追い、数字が落ちた場所から次の施策を選ぶ経路数字が落ちた場所から選ぶ次の一手。画像を押すと拡大できます

表は横にスクロールできます →
観測する場所分かること次に選ぶ施策の例
GSC検索表示、クリック、検索語記事制作、タイトル修正
GA4記事閲覧、CTA、フォーム導線、相談メニューの変更
Clarityスクロール、迷い、誤操作画面構成、入力負担の変更
biz platform CRM適格判定、商談化、流入元読者設定、施策配分の変更
Git・公開URL変更内容、公開結果継続、修正、停止の判断

クリック数と営業成果を同じ箱へ入れないことが前提です。資料取得も問い合わせと分けます。資料を読んだ人が後日相談した場合だけ、同じCRM上で関係を確認します。

実装後に何を確かめる?

コード、画面、計測、CRM、本番を順に確認し、利用者が通る経路を最後まで読み戻します。

コード、ブラウザ、計測、CRM、本番の順に確認し、公開後の読み戻しまでを完了条件にする検証層コードから本番までの五つの確認。画像を押すと拡大できます

コードが動いても、見込み客が使えるとは限りません。フォームならサーバーとブラウザの両方で入力を確認し、スマートフォンでボタンの大きさや横スクロールも見ます。計測では個人情報がGA4へ入っていないか、CRMでは同じ受付IDが重複していないかを確認します。

エラーが出ないだけでは完了にしません。公開URL、レスポンス、CRMの保存結果まで利用者が通る順番で読み戻します。失敗したら原因を残し、同じ手順で再検証。確認方法を途中で変えません。

他社事例の数字をどう読む?

短縮数字だけを借りず、対象業務、利用データ、接続先、人の確認位置まで読んで参考にします。

OpenAIが紹介するNTT DATA Groupの事例では5人の経験者が3日かけていた特定のインシデント分析をCodexが30分で完了したと公表しています。OpenAIの顧客事例に記載された特定業務の結果であり、Heygoodの開発時間や他の組織へ同じ比率を約束する数字ではありません。

短縮率より運用条件を見ます。利用できるデータ、接続先、sandbox mode、自動化レベル、人の確認位置をガイドラインで決めていました。この切り分けなら、自社で最初の対象業務を選ぶときにも使えます。

OpenAI Presenceの公開情報も特定の仕事から始め、必要な知識とシステムだけを接続し、承認と人への引き継ぎ条件を決める流れを示しています。製品提供者による説明です。第三者が検証した共通効果とは扱いません。

自社で始める前に何を決める?

止まっている一件、手元の資料、禁止操作、判断者、終了条件を一枚に並べるところから始めます。

最初から全社業務を洗い出す必要はありません。月曜の朝に溜まる問い合わせ、FAXからの転記待ち、請求書の照合待ち。実物が見える一件を持ち寄ります。

最初にそろえる情報は次の七つです。

  1. 誰の待ち時間を減らすか
  2. 一週間または一か月の件数
  3. 入力と完成物の実例
  4. 判断に使う正式な資料
  5. AIへ渡せないデータ
  6. 自動実行しない操作
  7. 続行、縮小、停止を決める人

候補業務の選び方はAIエージェント導入はどこから始めるか、本番へ進む基準はAIエージェントPoCの終了条件で確認できます。

Heygoodでは自社運用の型をそのまま押しつけません。現場で止まっている一件を見て、AIに任せる仕事、人が止める場所、最初に測る数字を組織ごとに決めます。

AIエージェント導入

違いの理解から運用判断まで

生成AIとの違いを確認し、最初の業務、権限、PoCの出口、運用例の順に判断します。
  1. 01
    生成AIとの違い

    研修、業務整理、開発のどこから始めるかを分ける

  2. 02
    最初の業務選び

    滞留と失敗時の影響から一業務へ絞る

  3. 03
    権限と停止条件

    閲覧、下書き、承認後実行、自動実行を分ける

  4. 04
    PoCの終了条件

    本番、縮小、中止の三つの出口を先に決める

  5. 05
    運用の実例

    AIへ任せる仕事と人へ戻す判断を確認する

  6. 06
    導入相談

    実際の業務例を持ち込み、最初の範囲を決める

この記事の情報源

2026年7月31日時点でHeygoodの自社運用と各一次情報を確認

  1. OpenAI「NTT DATA Group cuts incident analysis to 30 minutes with Codex」
  2. OpenAI「Introducing OpenAI Presence」
  3. AISI「AIセーフティに関する評価観点ガイド(第1.20版)」
  4. NIST「AI Risk Management Framework Core」

よくある質問

AIエージェントへ本番公開まで任せていますか。

定めた検証と承認を通った変更だけを公開対象にします。契約、料金、法務表現、個人情報、破壊的変更は人が判断します。

4時間あれば、どの仕事でも完成しますか。

完成を約束する時間ではありません。一回の枠で対象を一つに絞り、変更、検証、記録のどこまで進んだかを残す運用です。

Next reading

すべての記事を見る →
意思決定ガイドAIエージェントにどこまで権限を渡してよいか?承認・停止・監査ログの決め方記事を読む意思決定ガイドAIエージェント導入はどこから始める?任せる業務の切り分け方記事を読む意思決定ガイドAIエージェントのPoCをいつ終える?本番移行・中止の判定基準記事を読む